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あびたしおん

あびたしおん

秘密結社[2008.2.10]


東京遊劇手 第二回公演『秘密結社』
原案・演出:山田太一
作・脚本:青田ひでき(「劇団BLUESTAXI」)
出演:山田太一、内田びん太、白川空司、中村信幸、篠田剛、足達洋介、原田裕子、真白由春、坂内愛、森幸子
Special thanks:スガシカオ、他
協力:太田プロダクション、俳協、演劇集団キャラメルボックス、他
主催:TOKYO FM、東京遊劇手
会場:新宿シアターモリエール
日時:2008年2月10日



開演前。
観客席には”昭和のニホイ”がする音楽が流れていました。
つい、友人と「この歌は中学生の課題曲で歌わなかった?」とか盛り上がってしまう程。
彼女は高校の同級生なので違う中学校に通っていたのに...(苦笑)





ステージ上は、赤い絨毯に赤いソファー、そしてカウンターがあるスナック店内。
開演して間もなく、銃声音が鳴り響き一体何事か?
(スナック)2階から銃を構えた正太郎@山田太一が現れ、
店内にいたチャリンコ@内田びん太に銃口を向け一発!!
チャリンコが、”ぐうぉおぉ~”と叫び倒れるものの
「それじゃダメだ!」とダメだしする正太郎。
その銃は、本物そっくりの玩具だったのです。
正太郎が、「痛そうに倒れるにはetc.」と熱く語りつつ、
役をチェンジして名演技していたら、
スナックのママやスタッフが店内に入ってきて驚くのったら!!

そんなオバカな盛り上がりをする正太郎は元刑事で
スナックのママの”ひも”として生活している男。
チャリンコは、いわゆる出張ホステス(?)を派遣する仕事をしている男。
これといった正当な勤めはしていないけれど
それなりに楽しく過ごしていた...



ある日。
昔からの仲間でもあるスクープ撮影をメインとしているカメラマン&ジャーナリスト岡崎@篠田剛
ベロベロに酔っ払って収拾付かない状況になって
ママもお手上げ状態だった。
岡崎は、必死になってスクープを撮ったのに”見えない力”で潰されたと嘆いていた。
それに対しての怒りと嘆きと不甲斐なさに潰されそうになっている様は
単なる酔っ払いでは無く、戦いに敗れた一人の男。
彼は、とある大物政治家を追っていたのであった...

そんな事があった後。
正太郎の元へ、刑事時代の上司でもあり、現在、政治の世界で”先生”と呼ばれている二階堂@白川空司が秘書を伴いフラリとスナックへやってきた。

入店を誰にも見つかっていないか、必要以上に焦る秘書海老原@足達洋介の動きが爬虫類系に見えたような...(苦笑)

懐かしさを伴いつつも、急に訪ねてきた事に驚く正太郎に、
定職に就いていないだろうから”ある女性”を探す仕事をして欲しい...
と頼む二階堂。
それは、彼が結婚する前に付き合っていた女性が、
これから政治の世界で躍進するであろう二階堂の前から
突然、逃げ去るように消えた後に産んだ女の子。
その女性が病気で亡くなる直前に、二階堂へ娘を託した、と言う。

なかなか手がかりが無く伏していた正太郎。

そんな時。
チャリンコが新しい女の子を面接する!!と盛り上がって連れて来た。
自分が派遣するスタッフとして働いてもらうとか...
スナックへ現れた女の子は、金髪のショートヘアーで上下白のジャージ姿。
その名は、小雪@森幸子、まさに正太郎が探していた女の子!!

父親が探している事などを告げても一切耳を貸さない。
母親が亡くなってから苦労して生きてきたためか
人を信頼する心を失っていた...



またある日。
誰も居ない店内で、宝くじを見てはニヤリ顔するチャリンコ。
正太郎に
「この前、3人で盛り上がった”秘密結社”いつから始める!?」
と尋ねるが、正太郎は何のことか分からない。
チャリンコが言うには
飲みながら”悪を俺たちの手で無くしてやろう”と盛り上がったとの事。
話に乗らないという前に
「そんな話、覚えてない」と覚めてる正太郎にイラつくチャリンコだった。



そして。
スナックがある周辺の土地整備に”とある大物政治家”が浮かび上がってきた、と岡崎。
その裏事情を調査していたら、二階堂が絡んでいる...”らしい”事を掴む。
上司であった事から、二階堂が汚い事をするわけがない!と言い張る正太郎と
所詮、政治家は...と意見がぶつかり岡崎と喧嘩別れとなってしまった。



~ ステージ上が薄明かるいスポットとなり、刑事時代の正太郎と二階堂を映し出す ~

お約束のトレンチコート姿に、張り込み中の2人。
目を放さずに前方を見ていなければいけないのに
何かと話が脱線して「見てないと!!」とお互いに突っ込みし合う。
そのうち、「刑事にはあだ名が必要だよな?」と二階堂が呟き、
正太郎が飲んでいたものから「お前は今日から”充実野菜”だ!」と言う。
もう少し格好良いネーミングにしてくれれば...
始めは反発していてもそのうちには「充実野菜っ!」と呼ばれると「ハイッ!」と
無意識に反応して (°◇°)~ガーン と自らショックを受ける正太郎(爆)



悪を許さない硬い信念で刑事を全うしていた二階堂と正太郎だった...

だからこそ。
「政治家になったとしても、悪に手を染める二階堂じゃないはず!!」と
二階堂を信じ続ける正太郎であった。
自分の前から姿を消したという娘を案じているという男が、そんなコトするか!?



仲間たちは、正太郎がママ@原田裕子のひもとなっているので
「ママは、早く妻になりたがっているはず」と2人が一緒になる事を後押ししていた。
が...ママには大切な人...留置所に入っている男性がおり、
出所してくる事になった。
確かに定職に就かないでいる正太郎とは5年ばかり幸せに生活していた。
ママは悩みきっていたが
「アノ人には私が居ないとダメ」と、正太郎に別れを告げる。
お店はちょっと天然キャラなスタッフ千乃@真白由春に譲ると言い出す始末。

荒れる正太郎...

酒びたりの生活を送っていた矢先、
二階堂の秘書が珍しく1人で店に来たのだが
それに正太郎は気が付く様子が無くカウンターに伏せっていた。
ら、真面目生一本な秘書がスーツ姿ではあったけれど
小島よしおを真似て「ウィ~!!」と発した!?
そりゃ、酔ってボロボロの正太郎も気が付くわけだ。

だがその後、真面目というより怪しげな強い口調となった秘書。
少しづつ化けの皮(本性)が現れ始める。

土地整備の企業買収(談合など?)に手を下している二階堂を掴んだ岡崎が
お金をゆすってきた、と正太郎に告げる。
二階堂の行動も信じられないが、岡崎までもが人の道を外れた!?
呆然となる正太郎。
「大人の儲け方を学んだのですね、彼(岡崎)は...」と
正太郎にグサグサと事を説明し続ける。
でも実は、
土地整備を裏で糸を引いているのは二階堂よりもっと偉い政治家で
所詮、二階堂は1つの駒にしか無く、基本イイヒトの政治家は寿命は短いから
そろそろ二階堂から離れると言い放つ。
ヘコヘコと付いてまわりながらも、ヤツはかなり腹黒かったのだ!



色々なコトに打ちのめされて生きる気力も抜けたかのようになる正太郎。

そして店に1人やってくる二階堂。
勿論、彼の話を一切聞こうとしない正太郎であったが、
自分が1つの駒として働かされていること、
所詮、悪者にはなれないと政治家を辞めること、
そして。
岡崎は(お金を)ゆすってきたわけではなく
別れた奥さんの手術に莫大なお金が必要という事で貸したと言う。


人伝えで耳に入る情報の希薄さ信憑性の無さ
意外性ある出来事と分かっていても
アッサリと相手を信用しなくなってしまう愚かさ...
”人のウサワ”の怖さをふと感じてしまう瞬間でした。



店にはスタッフの女性達とチャリンコが集まり楽しげ。
誰が次に歌うかどうかでワイワイ盛り上がり
小雪も笑顔がこぼれていた。
「小雪ちゃんの歌、聞きたいわ!」とママの一声で勧めるが
断固として断りながらも
「これ、DAMだよね?」とカラオケの機種を確認した直後
「34837(←コレ適当に書いてます^_^;)」
とマイクを片手に番号を読み上げ、スタートした音楽は”天城声”!!
「あ、これ練習中なのよねぇ~」
とボソッと言ったママが可愛かったっけ。

前奏が流れる間、スッカリ”天城声”を歌うモードに浸ってポーズさえも決めているジャージ姿の小雪(苦笑)。
そんな楽しい空気を壊す「やっと探したぜぇ~!!」と
ヤクザな男性が2人店に乱入してきて小雪の腕を掴んで大騒ぎ。

そんなバタバタしている時に、二階堂が1人店に来た。

刑事時代の杵柄を...と示したかっただろうけど
太ったオヂサンには、若いヤクザを相手に出来るわけもなく撃沈。
ちょっとイッテル兄ちゃんは刃物を小雪の首筋にあてて...

そんなピンチの時、チャリンコがアノ玩具のピストルを取り出して威嚇する。
勿論、ヤクザたちは本物とは思わず相手をしなかったのだが
大騒ぎする中、テンションがあがりすぎたチャリンコが
「我ら、ゴールドムーンを知ってのことか!!」
と雄叫びをあげながら
静止に掛かる正太郎に向けて何故か発砲!
「痛てぇ~よぉ~!!」と床を転がりまくる正太郎。
仲間を撃つ危険な男に、ヤクザが怯んだ瞬間に、
二階堂が身体を張って小雪を奪い返し守る。

「玩具ってわかっていても驚くわねぇ~」とママ達でした(爆)



ヤクザ相手に守った二階堂に対し小雪が「なんで?何故?」と連呼し始めた。
小雪と二階堂の血は繋がっていない...事を小雪は知っており
それなのに生活を心配してくれる二階堂の心が分からなくなったという。
実は、二階堂は子供が作れない身体だったのだ。
でも、
昔、心底愛した女性が最後に助けを求めてきてくれた事が嬉しく
その彼女の置き土産となってしまった娘を愛しく思う、と。
政治家を辞めつつも正式に離婚(以前から妻とは別居していた)する事もあって
一緒に暮らそう...と振り絞って小雪に訴えた。
素直にお互いの気持ちを伝えることで、
少しづつ凍った心が解けていく小雪であった。


そうそう岡崎。
お金をゆすった、と正太郎は誤解していたが、
二階堂から”本当のこと”を教えてもらったことで
「水くさいな...」と仲直りした。
が、
二階堂より偉い政治家の尻尾を掴んだものの
またスクープを闇に葬られてしまっていたが
もう岡崎は折れることも無く
悪に立ち向かう決心をするのであった。



結局。
スナックはいつかは立ち退きの対象になるであろうけど、
それまでの間は千乃がNewママとして落ち着き平和な日々となった。

そしてチャリンコが
”秘密結社”を作ろうと正太郎と岡崎を誘いつつ...
クリアホルダーに入れて首から釣る提げていた宝くじをチラつかせる。
「これがあれば(二階堂への)返済金も賄える...」
「これがあれば、資金繰りできる...」
とチラチラと語る。

「とは言っても、何をするんだよ?」と突っ込む正太郎。
「シロアリ退治とか...あれもれっきとした悪だろ!?」とチャリンコ。

しばし言葉を失う正太郎だったが...
小雪を探している頃、
二階堂に探偵事務所(興信所)を開いてみれば?と
言われていた事を思い出した。
ママもいなくなった今、
今までのようにスナックに居候してフラリと過ごしているわけにはならない...と
意を決して
「あれはあれでキツイ仕事だぜ!」と昔、退治した事があった事を語る。


ワキアイアイとこれからの話に盛り上がっていた
4人の服装(色)が...!!

正太郎がはいていたパンツ :赤
チャリンコが着ていた袖なしダウンジャケット :青
岡崎が着ているコート :緑
千乃のワンピース :ピンク

そして。
黄色いTシャツ姿の二階堂が小雪を連れて登場。
まさかと思ったけれど
「カレーが好きだから、カレー屋を開こうと思ってね」とニコニコ顔~♪

私達の世代では
【黄レンジャー → 太り気味 → カレー好き】という
暗黙の図式(!?)があるだけに大爆笑~

※ちなみに小雪は黄色姿ではありませんでした^_^;


そして。

カーテンコールがあると思いきや
スクリーンがステージ上に現れ
”秘密結社のその後”というような
”秘密結社の働く様子”というか。
プロモーションのような
ショートドラマのように映像が流れたのです。
それと共に出演者の紹介が
TVドラマのように登場してビックリ。
今までに無い演出に感動しました。

ちなみに。
”秘密結社”は、迷子の子猫捜査に全力を尽くして街中を走り回っていました♪




レポUPまで、少々、日数を費やしてしまいましたので、
役者さんの台詞、舞台の様子、
シーンによって登場する面々、シーンの順序etc.
実際と異なってしまった部分があるかと思いますが
ご了承くださいませ。

楽しいシーンも悲しいシーンも
全てにおいて熱くぶつかる演技をされていた太一さん。
出演する舞台は今回が二度目ですが
こんなに引き込まれる雰囲気は何だろう。
ちょぉ~っと擦れ気味な声もポイント?
今回。
酔いに酔って悲しさ・刹那さを身体全体と表情から浮かび上がらせる様子を見ていたら
演技と分かっているけれどギューッと抱きしめてあげたくなってしまいました(苦笑)


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